古代の戦術家に学ぶ騎馬戦必勝法②【中高】

みなさん、こんにちは！72期の石井と申します。

 

今回の「自宅で学ぶオモシロ知識」は石井の前回の記事で書ききれなかった

 

「古代の戦術家に学ぶ騎馬戦必勝法」の続きとなります！

 

今回も古代の戦術家から騎馬戦に勝つための作戦を学んでいきましょー！

 

※前回に引き続き今回も以下の前提条件のもと考えていきます。

戦術を紹介する前にハンニバルについて、少し紹介したいと思います。

 

彼は「地中海の女王」と謳われた海洋国家カルタゴの将軍です。

 

彼は地中海を巡る第二次ポエニ戦争で圧倒的物量を誇り、後の世界帝国となる

 

ローマを相手に様々な奇策で翻弄しました。例としては自殺行為ともいえる

 

冬のアルプス山脈越えを敢行し、突如イタリアに侵入したり、ローマ軍の

 

一個師団を三時間で壊滅させたトラシメヌス湖畔の戦いなどが有名ですね。

 

このようにハンニバルの奇想天外な作戦に一矢報いようとローマ軍が

 

八万の大軍（ハンニバルの軍は5万程）をもってハンニバルに戦いを挑んだのが

 

今回参考にする「カンナエの戦い」です。それでは実際にハンニバルが数的不利の中

 

どのように勝利を収めたのかを解説しながら騎馬戦に当てはめていきましょう！

＜第一段階：陣形形成＞

 

まずは、ハンニバルがカンナエの野に布陣したような陣形を

 

作っていきます。ハンニバルは左の図のように中央部分を山

 

のような半円状の形にし、ここに重装歩兵を配置しました。

 

また、両翼に騎兵を配置させました。騎馬戦では、重装歩兵

 

の部分を防御力のあるガタイ良騎に、気鋭の部分を機動力の

 

ある快速騎に置き換えましょう。大将騎はなるべく真ん中に

 

配置するとこの作戦の成功率が上がります。（理由は後述）実際にはハンニバルは左翼の騎兵の戦力を右翼に比べて多く配置

 

したそうですが今回は体育祭などの騎馬戦に応用するため無視します。

 

＜第二段階：誘い込み＞

 

さて、第一段階の陣形形成が済んだ頃には敵は目前に迫って

 

いるでしょう。最初に戦いが始まるのは一歩前に出た、大将

 

騎を含むガタイ良騎でしょう。この二騎には敵を誘い出すた

 

めの囮になってもらうので、怪しまれない程度に押されてい

 

る感を出しながらゆっくりと後ろに引いていきましょう。こ

 

れをすることで敵軍の注意は中央に集中し勝利を焦った敵が

 

中央へと誘い込まれていきます。また、両翼に控える快速騎は中央で味方のガタイ良騎が引き始めたのを確認次第、前進して

 

いきましょう。この前進はなるべく速度を出しましょう。実際のカンナエの戦いでもこれまでの戦いでハンニバルに友人や兄

 

弟を殺された復讐心に駆られ、ローマ軍は次々と最初に接敵した中央の重装歩兵の部隊に殺到し、誘い込まれていきました。

 

＜第三段階：反転攻勢＞

 

第二段階でうまく敵を誘いこめたら、次は攻勢に移っていき

 

ます。この段階で特に大事なのは両翼の快速騎です。この二

 

騎が勝たないことには作戦は成功しません。快速騎はここで

 

男を見せましょう。快速騎は目の前の敵に勝ったら可能であ

 

れば反対の快速騎の援護に行きましょう。中央の騎馬はひた

 

すら耐えるのみです。実際のカンナエの戦いではハンニバルがカルタゴ本国から連れてきたよく訓練された騎兵たちが敵の騎

 

兵を一撃のもとに粉砕しています。快速騎を担当する生徒もこのように敵を秒殺できればベストですね。

 

＜第四段階：殲滅＞

 

快速騎が戦いに勝利すれば、全軍の勝利はもう目の前です！

 

戦いに勝利した快速騎は持ち前の速力をもって敵の背後に回

 

り、お鍋に蓋をするように敵を包囲してしまいましょう。包

 

囲してしまえばこちらのものです。密集して動けなくなった

 

敵を一つずつ倒していきましょう。このようにして騎馬戦で

 

勝利を収めることができるはずです。実際のカンナエの戦いでは騎兵がローマ軍の後方から襲い掛かり、戦史上まれにみる、

 

完全包囲が完成し、残ったローマ兵の戦列を一枚一枚削いでいきました。後半はカルタゴ軍の一方的な虐殺になり、始めに8万

 

いたローマ軍は6万もの死傷者を出し、共和制ローマのトップである元老院議員約80人（全体の四分の一程）が戦死するなど、

 

歴史的な大敗北を喫し、その一方でハンニバルの名声は世界に轟くこととなりました。