こんにちは!どうも、72期の石井と申します。
今回の「自宅で楽しむオモシロ知識」のテーマはズバリ!
世界の飛び地でございます!
・「飛地」って何?
飛び地とはある行政区画に属しながら、その主地域から離れて他の区地域にある土地。(goo辞典より)
例えば、A国とB国があったとします。A国のC地方はA国に属していて
C地方の中では当然A国の法律、税率などのルールが適用されますが、
C地方はA国から遠く離れたB国のど真ん中にある。この場合、C地方は「飛び地」となるわけです。
文字だけだと分かりにくいですね。百聞は一見に如かず!といいますし
早速、実際に存在する飛び地を見てみましょう!
・フランスの中に取り残されたスペインの飛び地「リビア」
トップバッターはスペインの飛び地「リビア」です。
リビアはスペインのカタルーニャ州ジローナ県に属するれっきとしたスペイン領です。
しかし、このリビアは周りをすべてフランスに囲われてしまっており、一番スペインに近い場所でも
直線で1,7㎞ほど離れており完全に孤立した場所となっています。
飛び地になった経緯としては、1659年に当時戦争をしていたフランスとスペインの終戦条約である
「ピレネー条約」いう条約が大きな原因です。この条約のなかで領土の規定があったのですが
「ピレネー山脈より北の村は全てフランスの一部である」と決めてしまったため、当時村ではなく
町とみなされたリビアはそのままスペインの領土として残され、このような飛び地となってしまったそうです。
ちなみに現在では2000人ほどのスペイン人がここで暮らしています。
この画像はイベリア半島を映したものです。
薄い黄色がスペイン領でオレンジ色がフランス領です。
画像の左上の方にオレンジ色の中にポツンとある
薄い黄色の部分がリビアです。
(画像はWikipediaより)
・戦略的重要拠点!? 地中海の鍵、「ジブラルタル」
続きましては、イギリスの飛び地である「ジブラルタル」です。
位置としては先ほど紹介したリビアのあるイベリア半島の先端、ジブラルタル海峡のヨーロッパ側にあります。
この地は地中海と大西洋をつなぐため、軍事戦略上、海上交通上とても重要なポイントだったので、
昔からジブラルタルを獲得しようとする国々の間で争いの種となっていました。
そんなジブラルタルの現在の支配者はイギリスです。イギリスは18世紀初頭までこの地を持っていたスペインから
武力で占領し、その後講和条約の「ユトレヒト条約」で完全にイギリス領としたのでした。
ちなみに現在でもスペインはイギリスにジブラルタルを返すよう抗議しており、「ヨーロッパにある最後の植民地」
として今なお問題となっています。住民はいませんが、イギリス軍が駐屯しています。
この画像の赤い矢印の先端にあるのがジブラルタルです。
小さすぎて見えませんが、面積に似合わず
その重要性は計り知れません。
(画像はgoogle mapより)
・ロシアの飛び地「カリーニングラード州」
さぁ!どんどん紹介していきまっす!お次は世界最大の領土を誇るロシアの飛び地である
「カリーニングラード州」です。かつては「ケーニヒスベルク」と呼ばれたこの飛び地は
ロシアの最西端の地でもあります。もともとこの地は「プロイセン公国」という後にドイツ帝国になる
国の領土でした。プロイセン公国がドイツ帝国にランクアップした後、1914年に起きた第一次世界大戦の
ドイツ帝国の敗北によりこの地はポーランドの領土となります。(実はこの時も飛び地なんです。)
1939年に第二次世界大戦が起こるとこの地はドイツに占領され、その後攻勢に転じたソビエト連邦によって
占領され、もとはポーランドの飛び地であった領土の西半分はソビエト連邦のものとなりました。これが
後のカリーニングラード州です。戦後、ソビエト連邦はここに軍事基地を集中させていきます。
ソビエト連邦崩壊後はロシア連邦の領土となり、現在に至ります。このカリーニングラード州の港は
「不凍港(冬でも凍らない港)」であり、ソビエト連邦やロシアにとってはとても重要な拠点なのです。
ちなみに、カリーニングラード州は琥珀の名産地で世界の約90%の琥珀を算出しています。
この地図の赤い地域がロシアの飛び地が
カリーニングラード州です。飛び地にしては
結構大きい面積を持っているので地図を見たときに
見つけた方も多いのでは?
(画像はgoogle mapより)
・最後に...
今回は「世界の飛び地」というテーマでお送りしました。この他にもたくさんの飛び地が世界にはありますが
様々な歴史事情を抱えて不運にも飛び地になってしまったものが多いようです。気になった人は調べてみてくださいね!
それでは、また会いましょう!アディオスゥ!